起業を視野に入れている方へ

意外に思われるかもしれませんが、起業を視野に入れている方の中には「ただなんとなく会社を興したい」とざっくりしか考えていない方や、「会社を興すぞ!」という気持ちは大きいものの起業後のビジョンについて具体的に考えていない方も多いようなのです。

実は会社を起業する場合、起業準備や起業自体よりも、起業後の業務のほうが大変であるケースが多く見られます。

例えば起業後の業務で定期的に行わなければならないもののひとつに、決算があります。決算とは、一定の期間の支出や収入をまとめて損失もしくは利益を導き出すことをさします。

決算期に絶対に必要なものとして、貸借対照表と呼ばれるものがあります。決算書類に(B/S)と書かれている表を見たことある方もいると思いますこれは英語でバランスシート(Balance Sheet)と呼ばれるためで、貸借対照表のことを指しています。では、具体的にはどんな表なのでしょうか。

貸借対照表は、会社が持っている資産(お金や建物や備品などの財産)に対して、負債(買掛金などの借金にあたるもの)がいくらあるのかを示すシートです。例え土地などの資産を多く持っていたとしても、それを上回るような負債があれば、会社の経営状態は悪いと言えてしまいます。一目で会社の財政状態が分かるシートです。

通常は、四半期ごと、若しくは半期ごとなどに作成されます。期間については各会社の決算期末となります。とは言え、毎月把握しておいた方が何かと都合が良いために、月次決算の資料として作成している会社もあります。

この貸借対照表は、左側(借方)、右側の上部(貸方)、右側の下部、と3つに分かれています。左上を「資産の部」、右側の上部を「負債の部」、右側の下分を「純資産の部」としています。この純資産とは、資本金などの企業の運転資金などに関連しています。貸借対照表で会社の状態が分かると書きましたが、具体的にはどのような状態が良いとされるのでしょう。自己資本比率は、純資産を、総資本で割ったもので求められます。この比率が高ければ高いほど、健全で、自己資金力の高い企業といった判断をすることができます。ただし、この比率は企業や業種によって変わってきます。平均的な業種の割合を確認してから、業種として、高いか低いかを相対的に判断した方が無難と言えるでしょう。

と、ここまで決算および貸借対照表について書いてきましたが、これ以外にも起業後に行わなければならない業務は数多くあります。

起業後につまづいたり、大きなトラブルを招いたりしないためにも、起業する前に「起業後を視野に入れた勉強」を十分に行い、自分の知識を深めておく必要があるのです。

もちろん専門家・部下などへ任せるという方法もあるでしょう。ですが決算は会社にとって重要です。会社のTOPが詳細を把握しておくことで、他者に任せたとしても最終確認を自身で行うことが可能となり、トラブルを防ぎやすくなるはずなのです。

近年では、こういった知識を学べる本が多数出版されています。また、起業を志す方のための起業勉強会・起業セミナーも多く開かれています。

ぜひ今のうちに勉強しておくとよいでしょう。